低血糖も危険!低血糖の症状と適切な対処方法

血糖値は低ければ低いほど良いと思っていませんか?実は、血糖値が下がりすぎて「低血糖」になることも危険なのです。重傷低血糖になると昏睡状態になることも…。特に高齢者の場合は、低血糖の症状に気づかず、重症化しやすいと言われています。低血糖の症状や、原因、対処方法、予防方法を紹介します。

低血糖とは?

血糖値は、血液中の糖(ブドウ糖)の濃度を指します。人間の体には、正常であれば血糖値を一定の幅に保つ機能が備わっていますが、その機能に障害が起きると、一定の幅に保つことができなくなってしまいます。 血糖値が高い状態を「高血糖」、低い状態を「低血糖」と呼びます。血糖値は、高すぎても、低すぎても身体に支障をきたします。
空腹時の正常な血糖値の目安は70~120mg/dL。120mg/dL以上であれば高血糖状態、70mg/dL未満になると低血糖状態といえます。

低血糖の症状は?

血糖値によって、出る症状は変化します。
次の表では、血糖値によって出る症状をまとめています。 同じ血糖値でも人によって症状の程度にはばらつきがありますが、一人ひとりはだいたい同じ症状が出ます。速やかに適切な対処をするために、低血糖時にあらわれた症状を覚えておくようにすると良いでしょう。

血糖値(mg/dL) 症状
50~70 <交感神経症状>
強い空腹感がある、汗をかく(冷や汗)、動悸がする、脈がはやくなる、手や指が震える、顔色が悪くなる(顔面蒼白)、不安など。
50 <中枢神経症状>
頭痛、悪心がする、目がかすむ、集中力が低下する、生あくびが出る
30以下 意識が混濁する、痙攣をおこす、昏睡状態に陥る、異常な行動を行う

無自覚低血糖とは

血糖値が下がると、通常空腹感や動悸などの警告症状があらわれます。この警告症状は、「これ以上血糖値が下がると危険!」というサインです。
この警告症状があらわれずに適切な対処ができず、さらに血糖値が下がり重症化してしまう場合があります。これを「無自覚低血糖」と言います。
無自覚低血糖は、低血糖を繰り返すことで、低血糖に対する防御機能が弱まり、症状が出にくくなると言われています。高齢者の場合、無自覚低血糖により、低血糖が重要化しやすいと言われているので注意が必要です。

なぜ低血糖は起こる?

低血糖は血液に含まれる糖(ブドウ糖)が少ない状態のこと。
つまり、血液中の糖が減ってしまうことが低血糖を起こす原因になるのですが、大きく2種類考えられます。
1つ目は、生活習慣によるものであり、糖分の不足や激しい運動などが原因です。
具体的には、下記のような内容が低血糖の誘因となります。

  • 【運動による誘因】
    • ・運動時間が長い
    • ・激しい運動をした
    • ・空腹時に運動をした
  • 【食事に関係する誘因】
    • ・食事を抜いたまたは食事量が不足している
    • ・食事時間が不規則になった
    • ・お酒を飲みすぎた

2つ目は、薬物療法による副作用です。
糖尿病の薬物療法では、血糖コントロールのためにインスリンや経口血糖降下薬などを服用することで血糖値を下げるようにしています。しかし、人間の身体が必要としているインスリンの量は常に一定ではありません。薬の投与する量が一定値であると、その時の身体の状態によっては、薬が効きすぎて血糖値が下がりすぎてしまう場合があるのです。具体的には、下記の行動が低血糖の誘因となります。

  • 【薬による誘因】
  • ・インスリン注射の量や、経口薬の量を増やした
  • ・インスリン注射や、経口薬のタイミングを間違えた

特に高齢者の場合は、薬を分解・排出する機能の低下により、血糖値を下げるための薬が効きすぎてしまい、低血糖になりやすい傾向にあります。また、発熱や下痢などの病気にかかっているとき(シックデイ)は血糖値が不安定になりがちなので、いつもよりもより注意を払う必要があります。

低血糖による影響

軽い低血糖の場合、適切な対処を行うことができれば重症化や低血糖による弊害も防ぐことができます。
しかし、低血糖が重症化すると、意識障害や昏睡、転倒や骨折の危険性も高くなります。脳に障害を与える可能性もあり、認知機能の低下につながってしまう場合もあります。
特に高齢者の場合、認知機能低下、転倒、骨折などは、寝たきりの原因にもなり、QOL(生活の質)の低下にもつながりかねないので、特に予防が大切となります。
また、一度低血糖の症状を自覚すると、その不安感から低血糖を避ける行動をとりがちになります。
本来、糖尿病治療は高血糖にならないために食事療法や薬物療法を行っているはずですが、低血糖への不安から食べすぎたり薬物療法を中断したりするなど、血糖コントロールが難しくなってしまう場合があるのです。

低血糖になってしまったときの対処方法

低血糖になってしまったときの対処方法 身体の状況やその時の行動によっては、いくら気を付けていても低血糖になってしまう可能性はあります。 低血糖になった時には、重症化しないように適切な対処を行うことが大切です。 ここでは、自分でできる対処方法と、他の人に行ってもらう2つの対処方法を紹介します。

自分で対処ができる場合

自分で行う対処方法の基本は次の2つです。

  • 1. ブドウ糖(または砂糖や、ブドウ糖を含む飲料)を10~15gとる
  • 2. 意識がもうろうとする場合は、必ず医療機関へ行く

運転中に低血糖症状があらわれると、とても危険です。
まずは安全の為に、路肩に止めて低血糖への対処を優先するようにしましょう。

周りの人(家族など)に対処をしてもらう場合

いつも自分で対処できるとは限りません。薬物療法をはじめるときには、低血糖になってしまった場合の対処方法を家族や知人など周りの人にお願いしておくようにすると良いでしょう。
周りの人に対処を行ってもらう場合も、基本は糖を摂取して血糖値をあげることが大切です。
具体的なやり方は次の3つです。

  • 1. ブドウ糖を含む飲料を飲ませてもらう
  • 2. ブドウ糖や砂糖を口唇と歯肉の間に塗り付けてもらう
  • 3. グルカゴン注射を注射してもらう

糖尿病の治療中であることを知っている人がいつも周りにいるとは限りません。そのようなときのために「糖尿病カード」をいつも持ち歩くようにしましょう。緊急時に周囲の人や医療関係者に糖尿病であることを知らせることで適切な処置が施されるようになります。
現在では、スマートフォン版の緊急連絡カードもあるので、ダウンロードしておくと良いでしょう。

ブドウ糖がないときはどうする?

低血糖の対処で必要なのが「ブドウ糖」。ブドウ糖は薬局などでも市販されており、タブレットタイプやキャンディータイプなど様々なものがあります。特に薬物療法を行っていて、低血糖を起こす可能性がある人は、もしものときのためにいつも持ち歩くことをおすすめします。

しかし、ブドウ糖を持っていない場合もあります。そんなときは、砂糖を含む飲料やお菓子で代用をしましょう。
砂糖は体内でブドウ糖と果糖に分解されます。そのため、砂糖で対処する場合は、ブドウ糖の2倍量(20g程度)が必要になります。また、砂糖がブドウ糖と果糖に分解されるまでに時間がかかるため、ブドウ糖を摂取したときと比べると、砂糖を口にしても低血糖が改善されるまでには時間がかかります。

ブドウ糖の代替品として、市販の清涼飲料で選ぶポイントは、成分表に「砂糖」や「ブドウ糖果糖液糖」などと記載されているかどうかです。
下記はコンビニやスーパーでよく見る飲料の原材料名と炭水化物量です。(飲料の場合、食物繊維を多く含んでいないため、炭水化物量が糖質量とほぼ同じと考えることができます。) 砂糖はブドウ糖の約2倍量が必要なので下記のような飲料で10gのブドウ糖を摂取しようとすると、200~300mlは必要になります。

商品名 原材料名(糖分を抜粋) 炭水化物(100mlあたり)
コカ・コーラ 糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖) 11.3g
HI-C オレンジ20 果糖ぶどう糖液糖 10.3g
ファンタ オレンジ 果糖ぶどう糖液糖 11.5g
なっちゃん オレンジ 糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖) 10.7g
午後の紅茶 ミルクティー 砂糖 7.8g

ここで一つ注意したいポイントは、人工甘味料は、ブドウ糖の代わりにならないため、低血糖時の糖分補給には適さないということ。
「カロリーゼロ」「ノンカロリー」「カロリーオフ」「低カロリー」などは人工甘味料が使われていることが多いため、低血糖になってしまった場合には、これらの言葉が入った飲料などは避けるようにしましょう。

低血糖の予防方法

低血糖を完全に防ぐことはできません。 しかし、どのようなときに低血糖の症状が出やすいかを把握しておくことで、低血糖を避けることができます。 糖尿病の治療で薬物療法を行っている人は特に注意が必要です。 インスリンの注射量や経口血糖降下薬などの量を自己調整しない、薬物投与の時間を守ること、など医師の指導・指示のもと治療を進めるようにしましょう。 また、指先などの血液から数秒で血糖値を測ることのできる血糖自己測定を行えば、血糖変動パターンも把握することができるので、医師に相談し活用してみるのも良いでしょう。

糖尿病の治療をしていない人でも、以下のことには気を付けると良いでしょう。

  • ・食前や空腹時に運動しない
  • ・食事の量を減らしすぎない
  • ・食事と食事の時間をあけすぎないようにする(あく場合は適度に間食をする)

まとめ

「血糖値」と聞くと、低いほど良いというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、低すぎる血糖値も身体には悪い影響を及ぼします。
特に高齢者で糖尿病治療のために薬物療法を行っている人は注意が必要です。重症化すると、昏睡や最悪の場合死に至る可能性もあるのです。
低血糖を避けるためにも、自分の血糖値の変動パターンを知っておくことや血糖値を下げる行動を行わないようにしましょう。そして、もしも低血糖になってしまっても適切な対処ができるよう、ブドウ糖を持ち歩く、周りの人に事前に対処方法を伝えておくなどをしておくと安心でしょう。

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監修

  • 監修:鈴木久美子(管理栄養士)
  • 株式会社メディカルフーズ(宅配療養食専門「食と健康社」)
  • 給食提供会社での勤務、病院での栄養指導、人工透析クリニックでの人工透析食の献立作りなどの経験を経て、平成18年にメディカルフーズを設立。腎臓病食や糖尿病食を中心とした手作りの療養食の献立監修を行う。

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