高齢者の『低栄養』に要注意!症状・原因・予防方法を紹介

栄養が足りていない状態を「低栄養」と言います。朝はごはんと味噌汁、昼はパン、夜はうどん。そんな食生活になっている方は低栄養に要注意です。高齢になると様々な要因が重なり、低栄養状態に陥りやすくなります。ここでは低栄養とはなにか、症状や原因、判断指標、予防方法について紹介します。いつまでも健康を保つために低栄養を予防しましょう。

【低栄養とは】

「低栄養」とはその名の通り、栄養が足りない状態のことです。 健康や生活の質を維持するためには栄養が必要不可欠です。高齢者は、加齢による変化や生活環境など様々な要因によって低栄養状態に陥りやすくなります。

「低栄養なんて自分には関係ない!」と思っている人も少なくないのではないでしょうか。 厚生労働省が発表した「平成27年 国民健康・栄養調査結果」によると、低栄養傾向(BMI≦20kg/㎡)の高齢者の割合は、65歳以上で16.7%。80~84歳では20.2%、85歳以上になると29.1%にもなります。85歳以上になると4人に1人以上は低栄養傾向にあるのです。
さらに、国民長寿医療研究センターが発表した「在宅療養患者の摂食状況・栄養状態の把握に関する調査研究報告書」では、在宅療養高齢者の栄養評価で36.0%が低栄養、33.8%が低栄養のおそれがあるという研究結果もあります。知らず知らずのうちに低栄養状態に陥ってしまっていることもあるのです。

では、低栄養はどのようなリスクがあるのでしょうか。 低栄養は、別の病気や症状の起因となる恐れがあります。低栄養が原因で筋肉量が減少しサルコペニアになり、サルコペニアが原因でフレイルになり、フレイルが進行して介護状態になったというように、低栄養が発端となって、介護が必要な状態になってしまうことも少なくありません。

また、国立研究開発法人国立がんセンター 社会と健康研究センター 予防研究グループの多目的コホート研究の「肥満指数と死亡率との関係について」の中では、男性では肥満よりもやせ傾向での死亡率の増加が問題とされています。メタボを心配して予防する人も多いですが、実は「痩せ」にならないための対策・予防も必要なのです。

【低栄養の症状】

低栄養状態になると、下記のような変化がみられることがあります。

  • ・体重の減少
  • ・風邪や感染症にかかりやすく、治りにくい
  • ・皮膚の炎症を起こしやすい
  • ・下半身や腹部がむくみやすい
  • ・肌が乾燥して弾力がない
  • ・転んだりつまずいたりしやすい

高齢者は若い時と比べて風邪が治りにくい、つまずきやすいというのはありがちなので、すぐに低栄養状態と判断する必要はありません。
ただし、これらの変化は何かが原因になって起こっているもの。「加齢のせい」とそのままにしておくのではなく、それ以外に何か変化はなかったかどうかを日ごろからチェックすることが大切です。
次に低栄養状態かを判断する3つの指標を紹介します。これらの症状と合わせてチェックしてみましょう。

【低栄養状態を判断する3つの指標】

低栄養状態は、たんぱく質とエネルギーが足りない状態です。急激な体重減少はないがたんぱく質が不足している状態、筋肉や脂肪の減少により体重が減少している状態、その両方が見られる状態に分けられます。 このような低栄養状態の指標は、血液検査値と体重変化、BMI(体格指数)が用いられます。

  • ■血液検査値:血清アルブミン値

    アルブミンとはたんぱく質の一種です。食事でたんぱく質を摂取すると、アミノ酸に消化され、吸収されて肝臓まで運ばれます。肝臓でアミノ酸を元にアルブミンが作られ、血液に入ります。
    アルブミンの値が低下しているということは、何らかの原因で肝臓のアルブミンをつくる能力が低下していることになります。
    血清アルブミン値が3.8g/dl未満は注意、3.5g/dl以下はより注意が必要とされています。
    アルブミン値が低下する原因は、低栄養だけに限らず他の疾患による起こる可能性もあります。低栄養状態の判定は血清アルブミン値を含めて総合的に判断する必要があります。

  • ■BMI

    BMIは「体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))」で求めることができます。身長160cmで60kgであれば、「60÷(1.6×1.6)=23.4」となります。BMIの値が18.5kg/㎡以下の場合は低栄養の注意が必要です。
    なお、70歳以上の人の場合、目標とするBMIの範囲は21.5~24.9kg/㎡とされています。

  • ■体重変化

    1~6ヶ月以内に3%以上の体重の減少が認められるまたは6ヶ月以内に2~3kgの体重減少がある人は注意が必要です。体重の減少率は、「(普段の体重―現在の体重)÷普段の体重×100」で計算ができます。
    普段の体重が65kgだったにも関わらず6ヶ月で62kgに減ったということであれば「(65kg-62kg)÷65kg×100=4.6%」となり注意が必要な範囲となります。

低栄養状態かどうかは、これらの数値だけでなく、食事の内容や生活習慣など総合的に判断がされます。BMIや体重の変化は自分でも簡単に測れるものです。定期的にチェックするようにしましょう。

【低栄養の要因】

高齢者が低栄養に陥る代表的な要因には、生活環境、加齢による身体の変化、疾病、精神的なものの4つが代表的にあげられます。

  • ・生活環境

    高齢者の一人暮らしは、「孤食」による食欲の低下、買い物や調理の負担で簡単にすませられるもの(ごはんと味噌汁のみ、菓子パンのみ、麺類のみ、などの単品メニュー)に偏りがちになること、経済的な理由によるものが要因と考えられます。

  • ・加齢による身体の変化

    加齢によって味覚や嗅覚の感覚が鈍くなります。味や香りを感じられずに食欲低下につながる場合があります。

  • ・疾病

    噛む力や飲み込む力が弱くなる咀嚼・嚥下障害になると、一度に食べられる量が減る、食事形態が制限されるなどが原因で食事量が減り低栄養のリスクが高くなります。また、疾病や服用している薬の副作用で食欲低下を招く場合もあります。

  • ・精神的

    うつや認知機能の低下がみられると、食べることへの意欲も失われることがあります。自分で積極的に食事をする意識が減るため、周りが気づいて食事をするよう働きかけないと低栄養を招く可能性が高くなります。

そのほかにも、メタボを警戒するあまり逆に栄養が足りなくなってしまったり、もともと好き嫌いが多い人は高齢になるにつれてさらに食べるものがしぼられて偏りがちになってしまったりするなど、誤った知識や食事の偏りも要因になっている場合もあります。

【低栄養の予防方法】

低栄養になってしまった場合、必要なことは栄養をとることです。しかし人によっては栄養をとることが難しい人もいるでしょう。そのため、一人一人に合った食事を行って栄養をとることが大切です。
必要な栄養をしっかりとるための食事のポイントを4つ紹介します。

  • 1. バランスの良い食事

    たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルの五大栄養素がバランスよく含まれた食事が理想的です。(栄養バランスの良い食事とは?3つの献立作りのポイント/cont/nutrient-balance/) ただし、はじめからバランスの良い食事を行うのはなかなかハードルが高いもの。単品の献立になってしまっているという人は、まずは普段の食事に1品プラスすることから始めてみましょう。 例えば、ごはんと味噌汁のメニューでは、味噌汁に豆腐を加えたり、ごはんのお供にしらすなどを加えたりしてみましょう。また、缶詰の魚や肉、冷凍野菜類などは調理の手間も少なく保存もできるので栄養補給に役立ちます。常備しておくと良いでしょう。

  • 2. 食事の回数を増やす

    1度の食事量を増やすことが難しい場合、食事の回数を増やしましょう。「1日3食」に必ずしもこだわる必要はありません。1食分を2回に分けたり、食事に間食を加えたりすることで、1日での栄養の摂取量を増やすことができます。

    食事の回数を増やす
  • 3. 食べやすい形態にする

    噛む力や飲み込む力が弱くなった人にとっては、サラサラ・ボロボロ・パサパサ・モチモチした食感のものは要注意です。お肉やごぼうや貝類など硬くてかみ切りにくいものなども食べにくく、食が進まない原因となりがちです。このような食べにくいものは、やわらかく調理をする、とろみをつけるなどの工夫が必要です。

    食べやすくする工夫をする
  • 4. おかずから食べる

    低栄養にはエネルギーとたんぱく質をとることが大切です。ごはんや麺などの主食はお腹が膨れやすく、それだけでお腹いっぱいになりがち。そんな方は、おかずから食べることを心がけてみましょう。おかずから食べることで、体に必要なたんぱく質をとりやすくなります。

中には「食欲がわかない…」「食べたいと思わない…」という人もいるでしょう。 そのような方は、食器などを食卓の雰囲気を変えたり、家族や友人など誰かと一緒に食べる機会を増やしたりしてみましょう。食事が楽しいものになると、食欲もアップしやすいものです。 ウォーキングやストレッチなど運動を取り入れて活動量を増やすことも食欲アップには効果的です。

「栄養バランスのとれた食事を準備することが大変…」という人は、宅配食事サービスの活用をおすすめします。高齢者向けの宅配食事サービスでは、栄養士監修のもとメニューが作られているサービスが多くありますので、栄養面で安心です。
一人分の食事を用意するとなると、メニューの偏りや数日間同じ食事が続く…なんてこともあるでしょう。その点、宅配食事サービスは毎日違うメニューなので食事の楽しみも増えます。
やわらか食や刻み食など、一人一人に合わせた対応を行っているものもありますので、身体状態やライフスタイルに合わせて上手に活用してみましょう。

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