放っておくと要介護状態にも?サルコペニアの見分け方と予防方法

サルコペニアは主に加齢によって筋肉量が落ち、筋力低下や身体機能の低下が起こること。実は要介護状態にもつながりやすいことをご存知でしょうか?ここでは、サルコペニアの原因や診断基準、症状や見分け方、そして気になる予防方法を紹介します。

【サルコペニアとは?分類・メカニズムと診断基準】

「サルコペニア」とは、加齢によって筋肉量が落ち、全身の筋力低下が起こることです。ギリシャ語の「サルコ(sarx/sarco)=筋肉」と「ぺニア(penia)=減少」を合わせた造語です。

■サルコペニアの分類

サルコペニアは高齢者に見られることが多いですが、中には若い人でもサルコペニアとなることもあります。加齢によっておこる原発性サルコペニアと、それ以外の原因から起こる二次性サルコペニアの大きく二つに分類されています。

  • ・原発性サルコペニア

    年齢が関与したサルコペニアで、年齢以外明らかな原因はありません。

  • ・活動量に関連したサルコペニア(二次性サルコペニア)

    寝たきり(ベッド上安静)、不活発な生活習慣、体調不良、無重力状態が原因

  • ・疾病が関与するサルコペニア(二次性サルコペニア)

    進行した臓器不全(心臓・肺・腎臓・肝臓・脳)、炎症性疾患、悪性腫瘍、内分泌疾患が原因

  • ・栄養が関連するサルコペニア(二次性サルコペニア)

    摂食不良(摂取エネルギーやたんぱく質の摂取量不足など)、吸収不良、食欲不振などが原因

■サルコペニアになる原因・メカニズム

サルコペニアが発症する要因は、加齢に伴って変化する栄養摂取量、運動神経数、体脂肪量、内分泌など複数の原因が絡み合っていることがほとんどです。元々の体質も影響しますが、生活環境や生活習慣なども大きく関係しているといえます。
人の筋肉量は30歳をピークにして40歳を境に徐々に減少していく傾向があり、60歳を超えるとその減少率は加速すると言われています。人の体内では、筋肉が作られたり分解されたりを繰り返しながら筋肉量を維持しています。つまり、作られる筋肉よりも分解される筋肉が多くなってしまうと、バランスが崩れ筋肉量が減ってしまうのです。高齢者の場合、たんぱく質の摂取や運動量の減少などによって作られる筋肉が減少し、分解する分を補いきれない状態となります。
四肢体幹の筋肉量が減少することで、転倒の危険性が高まったり、寝たきり状態となってしまったりする場合もあります。また、嚥下筋(飲み込む力)の筋肉量が低下すると、嚥下障害や誤嚥につながります。身体のあらゆるところの筋肉量の減少は、筋力の低下や身体機能の低下にもつながり、結果サルコペニアにつながるのです。

サルコペニアになる原因

■サルコペニアの診断

サルコペニアの診断基準は以下の3つとなります。

  • ①筋肉量減少
  • ②筋力低下(握力など)
  • ③身体機能の低下(歩行速度など)

診断は、①筋肉量減少に加えて、②筋力低下または③身体機能の低下を併せ持つ場合、つまり、筋肉量の減少を必須として、それ以外に筋力または身体機能(運動機能)の低下が見られれば、サルコペニアと診断されます。

【なぜサルコペニアが注目されているのか?】

日本では高齢化が進み、平成28年10月1日現在で65歳以上の高齢者人口は3,459万人。総人口に占める割合は27.3%となります。将来的に、国民の約2.6人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来するとも推計されています。
高齢化が進むことにより、医療費や介護費の増大も見込まれています。医療費や介護費のような経済的な視点から、介護予防による介護費用の抑制も重要とされているのです。
サルコペニアは虚弱状態(フレイル)の原因の一つとされています。フレイルは、要介護状態となる原因の1つにもあげられているため、サルコペニアになることを防ぐことは、要介護状態の予防にもつながることになるのです。

【サルコペニアの症状と見分け方】

サルコペニアは筋肉量が減少することで筋力が低下したり、身体能力が低下したりします。そのため、症状は転倒しやすくなった、日常生活の動作が難しい、嚥下が難しいなど様々で、筋肉を使う動きは全て能力が低下する対象となりえます。 サルコペニアかどうかを見分けるためには、病院できちんと検査を行うことが一番確実ですが、自分で簡単にチェックする方法もあります。サルコペニアの疑いがあるかを見分ける3つの方法を紹介しますので、ぜひ試してみてください。

  • 1.指輪っかテスト

    サルコペニアかどうかを見分ける方法として最も代表的なテストです。
    親指と人差し指で輪っかを作り、ふくらはぎの一番太い部分にはめてみます。指がしっかりと重なってしまったりふくらはぎと指で作った輪っかの間に隙間ができてしまったりする場合は、ふくらはぎがかなり細く、サルコペニアの疑いがあります。

  • 2.片足立ちテスト

    片足立ちの状態で、靴下をはくことができるかを確認してみましょう。バランスを崩して足をついたりしてしまう方は要注意です。また、腕組みをした状態で椅子に座り、片足で立ちあがってみましょう。左右どちらでも立ち上がることができない方は要注意です。

  • 3.横断歩道で確認

    横断歩道を渡るときに、青信号で渡り切れるかを確認してみましょう。横断歩道が渡り切る前に信号が赤に変わってしまうと、歩くスピードが落ちている、つまり下肢の筋力が低下している可能性があります。信号の長さや交通量にもよりますが、今までは青信号で渡り切れていた横断歩道で渡り切れなくなっている場合は特に要注意です。(この確認をする場合は、十分に注意をしましょう)

1つでも当てはまるものがあれば、筋肉量が落ちてきている可能性があります。すぐに日常生活に支障が出ることはなくとも、放っておくとどんどん筋肉量が落ちて生活に影響が出てくることもあります。 早めに対策を行いましょう。

【サルコペニアの予防方法】

サルコペニアの予防には、筋肉を減らさないような適度な運動と栄養摂取の2つが有効です。

運動は、筋力トレーニングを中心に行うようにしましょう。サルコペニアでは、主に下肢の筋肉が減少していきます。下肢の筋肉は、スクワットやもも上げ、つま先立ちなどにより鍛えることができます。週に3~5日程度を目安に無理のない範囲で行ってみましょう。 また、ウォーキングを行う場合も、歩く速さを早める、ウォーキングコースに坂を加える、など少しの工夫で、筋肉量のアップにつながりますよ。

栄養摂取は、特に筋肉のもととなるたんぱく質の摂取が大切。たんぱく質が多く含まれる食材は、肉や魚、大豆、卵などです。必要なたんぱく質の量も目安は「手のひら1枚分」と言われています。 高齢になると、お肉や魚などたんぱく質をはじめ、食事全体の量が減り低栄養状態になる方も少なくありません。たんぱく質はもちろん、野菜やごはんなどもきちんとバランスよく食べるようにしましょう。

サルコペニアの予防方法は特別難しいことはありません。「適度に動き、バランスよく食べること」が大切です。
加齢に伴い運動量が減った、食事量が減ったという方は、今一度普段の生活を見直してみましょう。

【特に要注意!サルコペニア肥満】

サルコペニアだけでなく、サルコペニアと肥満が組み合わさった「サルコペニア肥満」には特に注意です。 サルコペニア肥満は、筋肉量が減り、脂肪が増えた状態です。サルコペニアのみ、肥満のみ、の人よりも高血圧や低体力など病気のリスクが高まると言われています。
サルコペニア肥満の特に怖いのは、見た目に現れにくいところ。気が付いたころにはサルコペニア肥満だった…!ということもあるので、日常的に気をかけることが大切です。

サルコペニア肥満は筋肉量が減って起こる肥満のため、BMIと筋肉率でチェックすると良いでしょう。 以下の両方当てはまると、サルコペニア肥満の可能性が高いです。早期に改善に向けて動き始めましょう。

  • ・BMI(体格指数)が25以上
  • ・筋肉率が22%未満

「筋肉率が分からない」という人は、下記の項目をチェックしてみましょう。

  • ・つまづいたり、すべったりする
  • ・階段を上るのが辛い
  • ・歩くのが遅くなった
  • ・握力が弱くなった
  • ・ウエストが太くなった
  • ・ふくらはぎの指輪っかテストで隙間ができたり指が重なる
  • ・肉や魚などたんぱく質の摂取が減った

上記に当てはまる人は、筋肉量が減り、脂肪に変わっている可能性があるので筋肉量を増やすように心がける必要があります。
サルコペニア肥満の予防も、サルコペニアと同様に適度な運動と栄養摂取で筋肉量を増やすことが大切です。日々の生活を振り返り、食事の内容や、運動習慣を見直してみましょう。

【まとめ】

誰もが加齢によって、筋肉量は落ちていきます。しかし、危機感を持って対策をとるかとらないかで、筋肉量の落ち方は大きく変わります。
健康でいつづけるためには、バランスのとれた食事や適度な運動など日々の生活習慣がとても大切です。サルコペニアが要介護状態につながる可能性があることをきちんと知り、要介護状態にならないように日ごろから介護予防を意識するようにしましょう。


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