その症状、もしかして秋バテかも!?秋バテの症状と対策
暑い夏が過ぎても、体力低下や食欲不振、疲れやだるさなどの不調を感じることはありませんか? もしかしたらそれは『秋バテ』かもしれません。ここでは、すぐにできる「秋バテチェック」と秋バテ対策をご紹介します。 秋を楽しむために、食事や生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
「秋バテ」になっていませんか?
夏に体力低下や食欲不振になり、疲れやだるさなどの不調が現れることを「夏バテ」と言いますが、秋になり季節が変わっても夏バテに似たような症状が出ることを「秋バテ」と言います。
秋バテは放っておくと自律神経の乱れから免疫や代謝に影響が出て、心筋梗塞や脳梗塞などになる可能性が出てきます。
夏の間、冷たい飲み物の多量摂取で消化不良や食欲不振が続いたり、汗で失われたビタミンやミネラルを補えないと、栄養素の欠乏や偏りから引き起こすといわれています。
必要な栄養素をしっかり摂取し、日々の食生活を見直していかなければ体調不良は長引くかもしれません。
この夏の生活から「秋バテ」チェック
- ・冷たい飲み物ばかり飲んでいた
- ・夏は素足でいることが多かった
- ・胃腸が弱いほうだ
- ・そうめんや菓子パンなど、炭水化物の簡単な食事ですませていた
- ・日光浴をする機会は、全くなかった
個人差はありますが男女をとらず当てはまる項目が多いと秋バテになるリスクが高いと言われています。また、運動していない人は体温調節のためエネルギーを作り出す体力がないので、秋バテになりやすいと言われます。
秋は気候の変化にもバテる?!
秋は屋内と屋外、朝夕と昼など寒暖の差が5~10℃ある状態を繰り返すことで、実は自律神経が乱れがち。
また、秋の気候は変化が激しく、低気圧の日も多く見られます。低気圧になると空気中の酸素濃度が少なくなり、呼吸が乱れて自律神経も不安定になってしまいます。寒暖差で自律神経に乱れが生じていると、さらに低気圧で悪化という悪循環も。また低気圧は血管を拡張させ副交感神経が優位になるため、だるさ、思考力、集中力の低下を招きます。
まずは食生活から「秋バテ」対策
「1日3食・規則正しく・バランス良く」が食の基本です。暑さで消耗した体力を取り戻し、弱った胃腸の働きを整えるためにも、冷たいものはなるべく控え、温かいものをとるようにしましょう。
トマトやきゅうりといった夏野菜は体を冷やすといわれてますので、体をあたためる秋の旬野菜をとりれていきましょう。ニンジンやレンコンといった根菜などの食材を選ぶとよいでしょう。
胃腸に負担をかけないため、1口30回!よく噛んでゆっくり食べることも大切です。
たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足すれば、免疫細胞も活性化しません。どんな食材を摂取すればいいか具体的に見てみましょう。
「秋バテ」に体調を整える栄養素
たんぱく質
おもに体を作る「材料」をなるたんぱく質。肉・魚・卵・大豆製品から、バランスよく摂取。
食材:鮭、牡蠣、卵、納豆
ビタミンB1・ビタミンB2
糖質をエネルギーに変える。疲労回復効果あり。
食材:豚肉、レバー、ナッツ類
アリシン
強い殺菌能力、免疫力アップ、疲労回復効果あり。
食材:ニンニク、ニラ、ネギ
ビタミンC
抗酸化作用、疲労回復効果あり。
食材:レモン、ブロッコリー、アボカド
そのほか疲労感は、血液中の鉄分と結びつき、血液を通じて体中に運ばれる酸素の不足からも生じます。体中に行き渡る酸素量を減らさないためにも、鉄分の摂取は大切です。 鉄分豊富な、秋の戻りカツオがおすすめです。ビタミンCたっぷりのレモンをキュっと絞れば、鉄分の吸収が高まります。
生活習慣から「秋バテ」対策
次に、どのような生活習慣に気をつければいいか見ていきましょう。
①入浴
眠る2時間ほど前に38~39℃のぬるめのお湯に10~30分、首までゆっくりとつかることで血行を良くし、副交感神経が優位になりリラックスモードに切り替わり、体力や胃腸の回復を助けてくれます。
②適度な運動
散歩やウォーキング、テレビを見ながらのストレッチなどで血行を良くし体内に疲労物質をためないようにしましょう。
③体温調整
体を冷やしすぎないよう、羽織りものなどを用意しておくことも大切です。
オフィスや電車内など空調温度が決められている場所では、カーディガンや上着で温度差を調節できるように外出のとき持っていきましょう。
自宅にいるときは、腹巻きやソックス、ひざ掛けを活用して保温するとよいでしょう。
④睡眠
質の良い睡眠をまとまった時間取るために、寝る前はスマホ・PC作業を控えましょう。良質な睡眠へといざなうお気に入りのアロマを使うのもいいでしょう。
朝方の寒さで目を覚まさないためにも、長袖のパジャマの着用や、布団や毛布を準備しておくといいでしょう。
⑤日光浴
人がビタミンDを得るには、食べ物から摂取する方法と、日光からの紫外線を浴びて得る方法があります。
肌の露出が多いほど、ビタミンDはたくさん生成され、逆に、日焼け止めを塗るなどガードしたところや、服などで覆われていると、ほぼ生成されません。
紫外線照射が多い時間帯である昼の12時前後なら、5分あれば充分!
ランチに出かける際の行き帰りは、腕や足に日焼け止めを塗らずに紫外線を浴びましょう
どうしても焼けたくないなら、手のひらを太陽に向けるだけでも、少量のビタミンDが生成できます。
60歳を過ぎた頃から、ビタミンDの生成能力は落ちていくといいます。若い人よりも高齢者の方が、日光の下で過ごす時間を増やしていく生活が大切です。
これから秋晴れのいい時期ですね。ぜひ「秋バテ」に体調を整える栄養素が豊富なお弁当を持って、出かけてみてはいかがでしょうか。
日の光を浴びながらの散歩や運動は、体内にもいい影響を及ぼします。体を整えていきましょう。
監修
管理栄養士 麻生れいみ
- 管理栄養士・低糖質(ローカーボ)料理研究家・機能性食品研究家・機能性料理研究家・高齢者栄養研究家。日本栄養・食糧学会、日本静脈経腸栄養学会、日本抗加齢医学会会員、食育栄養インストラクター、「食から健康に協会」代表。
- ・管理栄養士 麻生れいみオフィシャルブログ
- ・食から健康に協会
大手出版会社の編集・ライターを経て、服部栄養専門学校栄養士科卒業。企業の特定保健指導・栄養相談を務める傍ら、病院の臨床研究において栄養療法を監修。医療と予防医学、栄養学を深く結びつける役割を担うべく、料理研究を行う。ダイエット指導においては、自らもやせた経験を基に、これまで約6000人以上に指導。その他、飲食店メニュー開発、調理指導、フードコーディネート、講演等、活動は多岐にわたる。著書に『作りおきでやせぐせがつく糖質オフバイブル』(主婦の友社)、『20kgやせた!10分ごはん』(宝島社)、『麻生れいみ式ロカボダイエット』(ワニブックス)、『脂肪と疲労をためるジェットコースター血糖の恐怖』(講談社)、『免疫栄養ケトン食でがんに勝つレシピ』(光文社)など多数。
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- ・出版社: 光文社 (2018/10/17)