注目のMCTオイル・MCTパウダーとは?
MCTオイル・MCTパウダーをご存知でしょうか。少量でエネルギー効率の高いMCTオイル・MCTパウダーは最近注目を集めています。ここでは、MCTの特長や使い方を紹介します。ぜひ日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
高齢者の低栄養問題を救う?!
高齢者は、加齢とともに徐々に食欲が低下。
摂食嚥下、サルコペニア、筋力低下や口腔ケア問題、認知症、うつ、独居や貧困などの社会的要因など複雑に組み合わさり、フレイルの負のサイクルに陥りやすくなるといわれています。フレイルのおもな要因は低栄養にあるといわれており、少量でエネルギー効率が高いMCTオイルやMCTパウダーは、低栄養の改善効果に期待されています。
MCTオイル・MCTパウダーとは
中鎖脂肪酸(Medium chain fatty acid, MCFA)はココナッツやパームフルーツなどヤシ科植物の種子の核の部分に含まれる天然成分。一般の植物油に含まれるオレイン酸やリノール酸と同じ脂肪酸の仲間です。母乳や牛乳などにも含まれており、私たちが普段から摂取している成分。MCFAで構成された油脂を中鎖脂肪(Medium chain triglyceride, MCT)といいます。MCTは一般的な油脂よりもすばやく消化・吸収され、すぐに熱量として利用されるという特徴を活かし、医療現場やスポーツ分野における栄養補給、さらには生活習慣予防などの様々なシーンで利用されています。
最近では、ケトン体を誘導し脳の栄養になることでボケ予防やアルツハイマー病に、私も臨床研究に参加させていただきましたがん患者への臨床へと注目の幅が広がっています。
MCTオイルの使い方
MCTオイルは加熱不可ですので、かけるタイプのオイルとなります。
嚥下対応食の形態を大きく損なうことなく、素早いエネルギー補給が可能です。無味無臭で、味もほぼかわらないので作る方も、食べる方も楽!
人によっては下痢になりやすいので、初めて使用する場合は、小さじ1杯程度から徐々に増やすようにするといいでしょう。下痢をすると栄養どころではなくなってしまいますし、体力も消耗してしまいますから注意しましょう。
油を直接飲むことは控え、食事にかけるといいでしょう。
コーヒーにMCTオイルをいれてエネルギーアップ
いつもの味噌汁にMCTオイルをいれてエネルギーアップ
お弁当にそのままかけてエネルギーアップ※1
MCTパウダーの使い方
MCTパウダーは温度に関係なく溶けるため、料理や飲料に混ぜるだけで簡単に無理なくエネルギー補給ができます。卵料理、粉もの、ひき肉にまぜると、いつもの料理と同じ見た目で、コクのある風味に仕上がります。一般的な食用油では油っぽさを感じてしまうような料理も、おいしくエネルギーアップできます。MCTオイルよりはお腹が緩くならないようですが、初めての場合は大さじ1杯くらいから使うといいでしょう。
MCTパウダーを卵液にいれてエネルギーアップ
MCTパウダーをおかゆに混ぜてエネルギーアップ
MCTパウダーをごはんに混ぜてエネルギーアップ
1人分のごはんに大さじ1杯が目安です。混ぜ合わせてから、茶碗に盛るといつもの見た目、味も変わらないので違和感なく食べることができます。
購入方法はMCTオイルは、最近はスーパーで見かけるようになりました。ネット通販でも購入できます。MCTパウダーはネット通販で購入できます。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
※1 プラスチック容器に長時間ふれると樹脂が変形し、もれる恐れがあります。特に、スチレン系樹脂(ポリスチレン(PS)のカップめん容器など)、ABS樹脂にふれるともれる恐れがありますので、調理や盛り付けの際は、できるだけ金属、ガラス、陶器をお使いいただくことをおすすめします。
監修
管理栄養士 麻生れいみ
- 管理栄養士・低糖質(ローカーボ)料理研究家・機能性食品研究家・機能性料理研究家・高齢者栄養研究家。日本栄養・食糧学会、日本静脈経腸栄養学会、日本抗加齢医学会会員、食育栄養インストラクター、「食から健康に協会」代表。
- ・管理栄養士 麻生れいみオフィシャルブログ
- ・食から健康に協会
大手出版会社の編集・ライターを経て、服部栄養専門学校栄養士科卒業。企業の特定保健指導・栄養相談を務める傍ら、病院の臨床研究において栄養療法を監修。医療と予防医学、栄養学を深く結びつける役割を担うべく、料理研究を行う。ダイエット指導においては、自らもやせた経験を基に、これまで約6000人以上に指導。その他、飲食店メニュー開発、調理指導、フードコーディネート、講演等、活動は多岐にわたる。著書に『作りおきでやせぐせがつく糖質オフバイブル』(主婦の友社)、『20kgやせた!10分ごはん』(宝島社)、『麻生れいみ式ロカボダイエット』(ワニブックス)、『脂肪と疲労をためるジェットコースター血糖の恐怖』(講談社)、『免疫栄養ケトン食でがんに勝つレシピ』(光文社)など多数。
出版書籍のご紹介
【「ごはん」は最後に食べなさい】
- 「麻生式ロカボダイエット」で、テレビでも話題の管理栄養士・麻生れいみさんの最新刊
- 「デニッシュより、クロワッサン」「ショートケーキより、バニラアイス」など、血糖値をあげない食べ方を分かりやすい比較で紹介しています。
- ・単行本(ソフトカバー): 144ページ
- ・出版社: マガジンハウス (2018/11/22)
【ボケないレシピ】
- 「麻生式ロカボダイエット」で、テレビでも話題の管理栄養士・麻生れいみさんの最新刊
- 今日の食事が、明日の脳を作る!!食生活に気を付ければ、認知症は遠ざけられる!脳の血管を守り、修復するための栄養成分を多く含んだ食材&調理法を紹介。
- ・単行本(ソフトカバー): 128ページ
- ・出版社: 光文社 (2018/10/17)