5年で骨は生まれ変わる!?骨を鍛える食事術

近年注目を集めている「オステオカルシン」。骨の細胞をつくる働きの他に、臓器を活性化させる働きがあります。ここでは、オステオカルシンの働きと、骨を鍛えるための運動や食事術を紹介します。ぜひ日々の生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

「オステオカルシン」って知っていますか?

「オステオカルシン」って聞いたことありますか?
近年、骨の細胞が作るオステオカルシンが全身のエネルギー代謝を活性化するとして注目を集めています。

骨は破骨細胞が骨の主成分であるアパタイトを溶かして削り、削られた部分に骨芽細胞が新たな骨を作るリモデリング(新陳代謝)を繰り返します。

オステオカルシンはその骨芽細胞から分泌されます。コラーゲンによって作られる骨基質に埋め込まれますが、わずかな量は血液中を循環し、臓器を活性化する、非コラーゲン性たんぱく質の約15%を占めるたんぱく質です。

骨は5年で生まれ変わる

オステオカルシンは、骨のリモデリング「作っては壊し、壊れては作る」という新陳代謝の過程で生まれ、基本は骨の中に埋め込まれますが、少量は血液中に分泌され、体中に循環、全身の臓器を活性化させます。

全身の骨は5年で生まれ変わるほど、意外に代謝が盛んな臓器です。骨のターンオーバーが活発になるほどオステオカルシンの分泌も促されるので、量を増やすには骨の代謝を盛んにするのが有効。それには「骨に刺激を与える」ことが大切です。

オススメは「「階段を下りる」習慣づけ。個人差はありますが、2週間でオステオカルシンの濃度が1・5倍程度に増える運動です。
継続が大切ですが、続けると高い数値をキープできるので、オステオカルシンは手軽な運動で即効性が期待できるホルモンです。

オステオカルシンは

  • ・認知機能UP
  • ・コラーゲン合成UP
  • ・肝脂肪予防
  • ・動脈硬化予防
  • ・腎機能UP
  • ・筋力UP
  • ・腸での栄養吸収UP

という効果があるとされている血糖値に影響と老化予防にかかせないホルモンです。

骨を鍛える食事術は

骨を鍛えるには、カルシウム、ビタミンD、たんぱく質などを食事で摂ることも大切です。

・タンパク質

骨を作るにはカルシウムだけでなく、コラーゲンも大事です。コラーゲンは、たんぱく質からできていて、合成には鉄とビタミンCが大切。赤身肉や赤身魚などとビタミンC豊富な野菜も一緒に摂取しましょう。

・ビタミンK

骨を作るたんぱく質の一種「オステオカルシン」の活性化をサポートするのが、ビタミンK。緑黄色野菜に多く含まれているので、肉や野菜と一緒に取ると効果的です。納豆などにも多く含まれています。

・マグネシウム

骨に入るカルシウム量を調整するのがマグネシウムの役割です。不足すると骨がうまくカルシウムを取り込めなくなります。ナッツ類や木綿豆腐のほか、青のりや昆布、干しエビなどにも多く含まれています。

・カルシウム

骨がスカスカになるのを予防し、骨密度を上げるのがカルシウムです。チーズのカルシウムは牛乳の約6倍。骨ごと食べられる小魚、ヒジキ、わかめなどはカルシウムと一緒にミネラルも摂取できます。

・ビタミンD

紫外線を避けていると体内で作られるビタミンDが不足しがち。キクラゲやシラスのほかサケやイワシ、サンマなどにも多く含まれています。腸内でカルシウムの吸収を助け、骨への沈着をサポート。食材からだとなかなか摂取できないので、サプリやビタミンDオイルを摂取もいいでしょう。

骨を鍛える相乗効果

では、具体的に骨を鍛える相乗効果が期待できるお食事をご紹介します。

おかか+インゲン+しらす+ポン酢

おかかしらすのポン酢和えで カルシウムを効率よく補給。
乾燥させて作るカツオ削りにはタンパク質・カルシウムが手軽にとれる保存食です。ビタミンKが豊富なインゲン、カルシウムが多いしらすと一緒にポン酢であえるとお酢のカルシウムの吸収がさらにアップ。

おかかとしらすといんげんとポン酢

鶏の骨付き肉+お酢

鶏の骨付き肉はカルシウム量も豊富です。
同じ鶏肉でも骨付き肉はもも肉に比べてカルシウムが4倍。コラーゲンも豊富です。チンゲン菜のビタミンCと一緒にとると吸収がアップ。さらにお酢で煮るとカルシウムが溶けだしてカルシウム量が水煮の1.8倍にアップします。

鶏骨付き肉とお酢

豆乳+ココア

ココアに含まれるマグネシウムにより、カルシウムの吸収がアップ!豆乳のカルシウムは牛乳に比べ少ないですが大豆イソフラボンが魅力。そこでココアをプラスすると飲みやすくなるだけでなく、マグネシウムの効果でカルシウムの吸収率アップの相乗効果が。

豆乳とココア

骨ホルモン「オステオカルシン」に着目するだけで、毎日の生活習慣が変わり、その結果、健康も美容も充実!超高齢化社会を生き抜く私たちの救世主のようなホルモンになるのではないでしょうか。

監修

管理栄養士 麻生れいみ

大手出版会社の編集・ライターを経て、服部栄養専門学校栄養士科卒業。企業の特定保健指導・栄養相談を務める傍ら、病院の臨床研究において栄養療法を監修。医療と予防医学、栄養学を深く結びつける役割を担うべく、料理研究を行う。ダイエット指導においては、自らもやせた経験を基に、これまで約6000人以上に指導。その他、飲食店メニュー開発、調理指導、フードコーディネート、講演等、活動は多岐にわたる。著書に『作りおきでやせぐせがつく糖質オフバイブル』(主婦の友社)、『20kgやせた!10分ごはん』(宝島社)、『麻生れいみ式ロカボダイエット』(ワニブックス)、『脂肪と疲労をためるジェットコースター血糖の恐怖』(講談社)、『免疫栄養ケトン食でがんに勝つレシピ』(光文社)など多数。

出版書籍のご紹介

【「ごはん」は最後に食べなさい】

  • 「麻生式ロカボダイエット」で、テレビでも話題の管理栄養士・麻生れいみさんの最新刊
  • 「デニッシュより、クロワッサン」「ショートケーキより、バニラアイス」など、血糖値をあげない食べ方を分かりやすい比較で紹介しています。
  • ・単行本(ソフトカバー): 144ページ
  • ・出版社: マガジンハウス (2018/11/22)
 

【ボケないレシピ】

  • 「麻生式ロカボダイエット」で、テレビでも話題の管理栄養士・麻生れいみさんの最新刊
  • 今日の食事が、明日の脳を作る!!食生活に気を付ければ、認知症は遠ざけられる!脳の血管を守り、修復するための栄養成分を多く含んだ食材&調理法を紹介。
  • ・単行本(ソフトカバー): 128ページ
  • ・出版社: 光文社 (2018/10/17)
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