コンビニ食で減塩する4つのコツ|食塩相当量の目安などを紹介
コンビニ食は、仕事が忙しくて自炊ができない場合や、簡単に食事を済ませたいときなどに重宝します。利用する頻度が高い方も多いのではないでしょうか。ただし、コンビニの商品は食塩相当量が多くなりやすく、塩分の過剰摂取につながりやすいのがデメリットです。
■この記事でわかること
- ・コンビニ食でも減塩に対応できるか否か
- ・コンビニで買える食塩相当量が少ない・多い商品
- ・塩分量が多いコンビニ食を食べるときのポイント
減塩はコンビニ食で対応できる?
結論から言うと、ポイントを押さえればコンビニ食でも減塩生活に対応できます。「コンビニ食=塩分の多いもの」ばかりではないからです。選ぶポイントさえ覚えておけば、減塩生活に役立てられるでしょう。
選び方に気を付ければ減塩できる
コンビニ食は幅広い人に好まれる味付けになっているため、選ぶものによっては食塩を摂りすぎる傾向にあります。しかし、パッケージに「食塩相当量」が記載されており、摂取量の計算がしやすいため、選び方に気を付ければ減塩も可能です。
画像引用:栄養成分表示(表示方法)|「食品衛生の窓」東京都保健医療局
食品表示法により、包装された食品のパッケージには「熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量」の5項目を最低限表示しなければいけないと義務付けられています。そのため、コンビニ食でも食塩相当量が必ずチェックできます。
外食では食塩相当量が確認できる店が少なく、自炊では正確に測れないなどの問題があるのに対し、コンビニ食は食塩相当量がひと目で分かるため、健康維持に役立てられるでしょう。
外食で減塩をする5つのコツ|塩分の多いメニューや摂取目安を紹介
1日の摂取基準を知っておこう
コンビニ食を減塩生活に取り入れるには、1日あたりの食塩摂取量の目安を知っておく必要があります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によれば、1日の男女別の食塩相当量は以下のとおりです。
■成人
女性・・・6.5g未満
※高血圧および慢性腎臓病の進行を予防するための基準値は6.0g/日(男女共通)
なお、「WHO(世界保健機関)」が目安としている食塩相当量は5g/日未満と、日本人の食事摂取基準よりも厳しい摂取量を推奨しています。実際の日本人の食塩摂取量は平均10.1gと、基準値の2倍近くにもなっています。
(出典:令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要)
コンビニで買える塩分の少ない商品
コンビニで商品を買う際は、塩分を合計で3g台にするのがポイントです。食塩相当量が4gを超えると、1日の6割以上をコンビニ食で摂取することとなり、目安量を超える原因となります。
ここでは、コンビニで買える食塩相当量が4g未満の商品と、4g以上の商品を紹介します。
※セブンイレブンの商品の中から無作為にピックアップし、食塩相当量を平均して算出したものです。
まず、塩分の少ない商品は以下のとおりです。
■塩分の少ない商品(4g未満)
商品 | 食塩相当量の少ない順 |
---|---|
おにぎり | 平均1.3g(10種類0.87~2.2g) |
グラタン | 平均2.2g(10種類1.7~2.5g) |
魚介系(焼き魚弁当、あさり飯など) | 平均2.4g(6種類1.1~3.7g) |
親子丼系 | 平均2.8g(8種類2.2~3.8g) |
焼肉弁当系 | 平均3g(7種類1.9~3.7g) |
唐揚げ弁当 | 平均3g(5種類2.1~4.2g)) |
そば系 | 平均3g(10種類2~4.8g) |
中華丼 | 平均3.1g(7種類2.8~3.9g) |
海苔弁当系 | 平均3.2g(6種類2~4.1g) |
反対に、塩分が多い商品には以下のようなものがあります。
■塩分の多い商品(4g以上)
商品 | 食塩相当量の多い順 |
---|---|
中華麺系 | 平均6.2g(11種類4.8~8.1g) |
チキン南蛮弁当 | 平均5.4g(2種類5g~5.7g) |
うどん系 | 平均4.8g(10種類2.8~6.5g) |
ご飯系(チャーハン、ピラフなど) | 平均4.4g(10種類3.4~5g) |
カレー系(カレー、ロースかつカレーなど | 平均4.3g(9種類2.5~5.8g) |
おにぎりは食塩相当量が少ない商品ですが、複数個まとめて食べたり、汁物やカップ麺などほかの商品と組み合わせたりすると塩分の摂りすぎにつながります。大盛タイプは量に比例して食塩相当量が増えるため、減塩を心掛けている方にはおすすめできません。
また、同じ系統の商品でも具材によって食塩相当量が異なります。例えばうどんやそばの場合、「とろろ」や「わかめ」よりも天ぷらのほうが塩分量が多い傾向にあります。とはいえ、一概に言い切れないため必ず栄養成分表示を確認しましょう。
塩分量の高いコンビニ食を食べたい場合のコツ
いつも食塩相当量の少ない商品ではなく、たまには食塩相当量が多い商品が食べたくなるときもあるでしょう。もちろん毎回食べるのはおすすめできませんが、たまに食べるのはOKです。ただし、以下のポイントを覚えてできるだけ塩分摂取量を減らせると、より健康的な生活が送れます。
【1】煮汁・つゆ・ソース・調味料を残す
食塩相当量の多い商品を食べる際は、以下のポイントを意識しましょう。
- ・煮物の煮汁、そば・うどん、ラーメンのつゆは飲まない
- ・ソースや醤油といった調味料は「かけない」で「つけて」食べる
- ・添付のドレッシングは使い切らず残す
<注意したい商品>
麺類、おでん、丼もの、サラダ
塩分の多くは、煮汁・つゆ・ソース・ドレッシングなどに含まれています。特に麺類はつゆを飲みたくなりますが、ぐっと我慢して残すのがおすすめです。サラダのドレッシングは添付のものを使用せず、減塩ドレッシングやマヨネーズで代用すると塩分量を減らせます。
監修者コメント
かき揚げうどんやそばのようなつゆを吸いやすい具材は、ずっとつゆに漬けたままにするのではなくフタに取り出すと、塩分摂取量が控えられます。
【2】お弁当や総菜と合わせてサラダや果物などを選ぶ
食塩相当量が多い商品を食べる際は、サラダや果物などカリウムを多く含む商品をプラスしましょう。カリウムはナトリウム(食塩)を排出する働きがあります。生野菜、果物、豆類、海藻類などに多く含まれるため、サラダなどを一緒に購入するのがおすすめです。
<コンビニで買えるカリウムを多く含む商品の例>
- ・サラダ
- ・スティック野菜
- ・カットフルーツ
- ・豆腐
- ・納豆
- ・もずく・めかぶ
ただし、野菜の商品であっても、漬物や炒め物など加工されているものは食塩相当量が多くなります。なるべく素材を活かした商品を選ぶのがおすすめです。
【3】他の食事で塩分量を減らす
コンビニ商品は食塩相当量が多いため、ほかの食事で調整しましょう。例えば1食はコンビニのお弁当を食べる予定であれば、以下のような工夫ができるはずです。
- ・残り2食を薄味にする
- ・麺類や丼ものを避ける
- ・1食は汁物をつけない
- ・減塩食を利用する
なるべく薄味の食事を心掛けるか、塩分の多いメニューを選ばないなどの工夫ができます。汁物は塩分量が多くなりやすいため、メニューから省くのもひとつの手です。また、自分で作るとどうしても塩分量が多くなりやすいのであれば、宅配の減塩食などすでに調整されている料理を利用するのもよいでしょう。
監修者コメント
自炊する場合は減塩調味料を利用すると、テクニックいらずで美味しい減塩食が作れます。減塩食は毎日続けることが大切なので、こういった商品も利用してみましょう。
工夫次第ではコンビニ食でも減塩はできる【まとめ】
コンビニ食の中にも食塩相当量が少ない商品はあるため、減塩を心掛けている方はそのような商品を優先的に選びましょう。コンビニ食を選ぶ際は、必ずパッケージの栄養成分表示を確認し、1食あたりの塩分が4gを超えないように意識してください。
また、食塩相当量が多い麺類などを食べる際は、汁を残すなどの工夫をすると塩分摂取量を減らせます。「塩分を摂りすぎたかな」と感じた際は、カリウムを多く含む商品を一緒に食べたり、ほかの食事で塩分量を調整したりしましょう。
そうはいっても、自炊で減塩食を作るには綿密な計算が必要になります。あらかじめ塩分を調整した宅配食を利用するのもおすすめです。宅配食は管理栄養士が栄養計算をしているため、高血圧など減塩食が必要な方にも適しています。
数多くの業者から自分に合った宅配食を選ぶのは手間がかかるため、比較サイトの「シニアのあんしん相談室」を利用してみてはいかがでしょうか。郵便番号を入力するだけで、お住まいの地域に対応した業者を提示してくれます。
監修者コメント
減塩食は食塩を控えるだけでは、味が薄いだけの食事になり箸が進まないこともあります。薄味でも美味しいと感じるには出汁や香辛料を使うなど、調理にひと工夫が必要です。宅配食は美味しいと感じさせるテクニックを盛り込んでいるため、毎日続けやすいと思います。
監修
相田すみ子
寮生の栄養管理、老人保健施設、内科・整形外科などで経験を積んだ後、フリーの管理栄養士兼ライターとして活動。
今日より少し健康になれるレシピを開発したり、体と栄養の関係について多くの人に伝えたりするために、コラム執筆、本の執筆協力などを行っている。